ちょっと概念変わりそうな椎葉暮らし

椎葉村は、山深い場所なイメージで確かに高千穂高校からは車で1時間以上はかかる場所でした。今回取材をさせていただく椎葉勇さんのお宅は、そこからさらに30分ほど移動したところ。
初めての椎葉村にワクワクしながら車にのりました。
途中先般甚大な被害をもたらした台風の爪痕が残る林道を進むと「綾野ファーム」さんが見えてきました。

綾野ファームの代表の椎葉勇さんは、元々は椎葉村役場の職員として従事されていたそうです。
退職されて農業経営と農家民泊をスタートさせて椎葉に訪れる人を楽しませています。

とはいえ、椎葉さんの家は想像以上にいろいろありまして、まずこちらをご紹介させてください笑
牛と山間放牧

まず、畜舎に案内いただきました。
畜舎には多くの繁殖和牛がいました、知らない人がきたと思ったのか子牛を少しびっくりさせてしまいました。
ごめんよ・・・

次は、おもむろに椎葉さんが畜舎の裏をあけ、牛たちがのそのそ、外に向かって歩きはじめました。


私達も牛たちが歩いて行った先についていくと、なんと天空の放牧場が現れました!

ほんとに絶景です。牛たちが楽しそうに放牧場で草を食べているのが幸せそうでした。
椎葉さんはここのご自宅横の放牧場と、椎葉村の大河内にも放牧場を持っておりそこに牛をいったりきたりさせているそうです。スケールでかい・・・・。

牛たちが楽しそうなのがとても印象深いです。

私たちが帰ろうとすると、次はその後ろは牛たちがついてきて、びっくりしました。

次にご自宅の横のハウスにご案内頂きました。
元々トマトを作られていたハウスだそうでとても立派なハウスです。

現在では、放牧場の芝を作ったり、多肉植物を育てたりされています(多肉植物は娘さんがされているのことでした)

ハウスもとても広くて立派なので、横の区画では、合鴨の家になっていたり。

そのハウスの横にはヤギもいました・・

更にはちょっとした運動場も有り、遠目には牛かなと思ったのですが、なんとポニーでした笑

まさか、お馬さんも見れると思わなかったのですが、ポニーとはいえとてもでかいです。
ポニーは知り合いのかたから頂いたそうで乗ることもできるそうです。
今日はなんだか機嫌がわるいとのことでしたが、近寄ってきてくれました。
その他にも、亀がその辺をのそのそ歩いていたり、でかい鶏がいたり、ム○ゴロウ王国かなって思うくらい動物植物が綾野ファームさんにはいらっしゃいました

・持続可能な農業を

一通り拝見した後にお話を伺いました。
まず、なぜこういう事をされているのか。回答はかんたんなもので、動物が好きなのだそう笑
ご家族みなさんも動物が好きで、勇さんが突然動物を連れて帰ってきてもご家族の方は特になんもおっしゃらないそう。
とはいえ、それにはちゃんと裏がありまして。
椎葉さん、役場職員をされていたと前述しましたが、やはり村のために仕事をしたい思いが若い頃からあったそうです。若手のころは村の職員として一生懸命お仕事されていましたが、今は農家として何ができるかを考えたそうです。
椎葉の農家として何ができるか、人がどんどん減っていく農業で何ができるか、そこからまず楽しい農業をやろうと考えたそうです。
そして、その後に考えたことが、省力化と多角化。
省力化は牛の通年放牧、放牧は牛の運動機能の向上やストレス軽減、粗飼料のコスト削減などがあげられます。さらに、農泊。楽しい椎葉を体験してもらうことでWin-Winな農業を作られております。
民泊も椎葉に人が訪れて、世界農業遺産の生活、椎葉の暮らし、文化、人を知って少しでも交流人口、居住人口を増やしていけたらいいと話していました。現に、集落には移住されている方が数名いらっしゃるそうで、椎葉さんたちの懐の深さを感じました。
・これからの世界農業遺産

2023年にいろんな方に取材インタビューをさせて頂きました。
椎葉さんを初め、皆さん自分の生活があり、仕事があり、ふるさとがあり、生活があります。
ChatGPTやAI絵師など人がしなくていいことがどんどん増えてくる世の中ではありますが、私たちが生活する世界農業遺産の地も、効率化の波は避けられないと思いますが、変わらないこと、私達人間がちゃんと残して行かないと行けないものが多いのだなぁと感じています。
私達も、将来この地で生活やお仕事をしているかはわかりませんが、この出会った人たちの皆さんとは空でつながっているのでまたぜひお会いしたいです。
文:高千穂高校チーム
取材時期:2023年2月